100年以上歴史のあるタケヤリは帆布の一大産地として岡山県の倉敷市に工場を構えています。現在では、定番の帆布から生地の加工、帆布を使ったOEMまで幅広く対応出来るようになってきました。小売の新しい取り組みを始めたのは2010年頃。「今までの受注生産だけに頼る機屋では難しくなる」と感じていた会長の発案で小売を専門とする部署が立ち上がりました。
「リーマンショック後、受注生産が主力の機屋だけでは会社の発展の見込みがないことから、タケヤリで織っている帆布を使ったバッグを作り販売していく新部署を作りたいと考えていました。帆布の可能性をもっと広げる為に新部署を立ち上げ、織物部を引っ張っていく決断をしたわけです。」こうして機屋でありながら帆布の可能性を広げる新しい取り組みがはじまります。
「はじめはお客様もいない、0からのスタートで新規先の開拓をはじめました。」と賀川は話します。 賀川は2010年に新入社員としてタケヤリに入社し、今ではこの部署を支えるリーダーとして引っ張っています。
「繊維関係の商社を志望していましたが、生地のことをもっと知りたいと思い大学生の時に日本国内にある機屋巡りを行いました。数ある機屋の中で巡り合ったのが(株)タケヤリでした。武鑓澄治会長に工場案内などをしてもらい大変興味を抱き、また新しい小売をメインにした部署を立ち上げると聞いたので、0から学んでみたいと思いました。部署の立ち上げに関わらせていただけるという期待感と若干の不安を胸に岡山の移住を決めました。」
基本的なお取引先様はアパレルや雑貨のメーカー、インテリアメーカーなどです。またファクトリーブランドの卸もさせていただいています。オリジナルで商品を作りたいというお取引先様とお話をしてOEMで商品を一緒にお作りさせていただいたり、会社の記念品や映画PR用の商品を作成をしたりもちろん機屋ですので、オリジナル生地の提案など様々な種類のお仕事がありますね。」
最近入社した小林は千葉の出身。縁あって岡山に来てタケヤリの営業として歩みはじめました。
正直に言いますと"帆布"という言葉自体知らず、帆布とは何かを理解出来てませんでした。入社後、会長自ら作成して頂いた帆布にまつわる資料を読んだり、実際に営業をしていく中で、アパレルから資材関係まで"日本のモノ作り"を支えている、とても重要かつ貴重な物なんだと思うようになりました!
職人さんに対しては当初寡黙で近づき難いイメージを持っていたのですが、同年代の方も多く、また熟練の職人さんも会えば気軽にお話して下さりとても良い方が多いです。また、モノづくりに対する情熱も話の端々から感じられとても勉強になります。」
産地に若い人が集まり、次の時代を引っ張っていく原動力になっています。新しい部署ができた事で帆布を織るだけではなく染めやオリジナルの生地を織ったり、OEMで帆布の商品を作ったり、タケヤリにしか織れない生地でファクトリーブランドの商品を作ったり・・・ 次の100年に向けて様々な形で帆布の可能性が広がっていきます。